●ゴアテックスの欠点
一番大きな欠点、それはゴアテックス付きのインナーが抜け易いのです。
これはゴアテックスに限らず防水フィルム-インサート手袋に共通した現象です。
通常、スキー手袋のインナーは「摩擦」で留まっています。不思議に思われる 方も多いと思いますが、インナーに貼ったウレタンと革に貼ったウレタンの摩擦 力で留まっているのです。 ところがゴアテックスにはウレタンが付いていない(張っていない)為、その摩擦力が小さい。 そこで、接着剤をつけるのですが、これが頼り無い事おびただしい。 汗などでこのゴム糊や両面テープがはずれインナーが抜ける商品が多数出たみ たいです。 抜けたら又入れたらいいと思われるでしょう? ところが、これが一苦労するのです。やった人はわかると思います。完全に裏 返ってしまったインナーを手だけで正常に戻すのはとても根気が要ります。 それに抜けるという事は、接着剤の所から破れている可能性もありました。 そうなるとゴアテックスによる防水性の意味は全く無くなります。 この欠点を是正する為に、ゴアテックスの指先の先端の部分を延ばし、 その部分を縫い付けるという「先どめ」形式をとってるのも有りますが、 手を抜くたびにインナー全体が動き、はき心地が悪くなるとともに、やはり その先どめがはずれないように手を抜くのは用心しながらの作業となり、 精神衛生上良くないと思います。 他にも欠点はあります。 ●いくら透湿とはいえ一枚余分にサンドイッチされるので、ムレる。 ●上記と同じ理由で、多少手の動きが悪くなる。 ●値段が高くなる(定価で3000円から5000円位アップ)。 ただ可能性のある材料ですので又プレイクするかもしれません。 ゴアテッスクインサートの「スキー手袋」は少なくなってます、が、 最近のスノーボード用手袋の中級以上の商品中には、ゴアテックスではないが、 その類の防水フィルムをはさんでいる手袋が結構目に付くようになりました。 ゴアテックスでなければ、値段的なアップはそれほどでもないので、 これからはこうした手袋の増える可能性が大となってます。 個人的には、生地にゴアテックス加工をしたものを、アウターに使った方が、素直で 良い商品になると思うのですが、防水の為には、 現在は不可能な縫い目のシーリングをしないとなりません。 従って、今のところはゴアテックスを使用した「快適な防水透湿の手袋」は無理じゃないかと考えています。 |
1-4 (2000.2/4改)