(最初に戻って) 母から預かっている電動自転車のバッテリーが3個がすでに寿命が尽きかけていて、
4個目をどうするかですが、買うと2万円以上します。
以前、中身を自分で入れ替えられないか、と思い、バラしてみたところ、
単二をひとまわり小さくした20個のニッケル水素電池(3000mA位?)が入っていました。
当時から薄々考えてはいたのですが、容量は減るものの性能は折り紙付きの
三洋電機の単3型エネループが使えないのか、
という思いから、インターネットで検索をかけたのですが、その類の記事はまるでありません。
誰かが考えそうな事なのに不思議でした。何か根本的に間違っているのではないか、と。
そこでこういう時の師匠の"jho"さんに相談。
「多分電池ボックスでも大丈夫だろう」という言葉に力を得て
10本組のボックス×2個で作りました。
電池ボックスであれば、もし失敗しても外せば綺麗なままで他に転用できるので
無駄にならずに済む、との考えもありました。
更に重量を計ったところ、従来品=58g、エネループ=26g、と半分以下なので
大幅な軽量化にもなります。
走行結果は、不思議な事に1回目の走行では結構良い感じだったのですが、2回目以降が駄目でした。
走り出すと、すぐにハンドルの表示(下写真)が、3個→1個のしかも"点滅状態"になってしまいます。
こうなると「もうすぐ切れますよ」という警告みたいなもので、
しばらくするとペダルを漕いでもモーターが反応しなくなります。
ニッケル水素電池は1.2V位になると一気に下がるからなのでしょうか、それでも長くもつ場合もあります。
充電して少し走るとすぐに点滅状態になるのは、電圧が足らないのではと考え、
jhoさんには「1本で良い」と言われたのですが2本を足して、22本で組み直しました。
しかし、やはり走り始めるすぐに点滅状態になります。
ただ、スタートの様な一番力のかかりそうな場面で漕ぐと
モーター駆動しなくなるのですが、あまり負荷がかからない平坦路等ではその点滅状態でも切れる事もなく通常通り使えます。
過大な電流が流れると強制切断するみたいです。
従って、スイッチを切る→入れるを繰り返すと何kmかは走れますがこれでは通常の乗車は無理です。
この後、母親が健康状態の関係で自転車に乗れなくなり、私自身も少し嫌気もさして2年近く放置していました。
今年になってこの自転車を母親から貰ったので、再度バッテリーの中身の交換に挑戦する事にしました。
まず電圧を計ってみると、元のバッテリーに比べると電圧が明らかに高い!!(2本足したので当然ですが)
にもかかわらず、すぐに容量不足になる、というのはなぜか。
この時から付属の充電器での充電時間が少なくて、十分に充電してない感じがしていました。
という事は、逆に電圧が高過ぎて、充電器側の上限電圧が設定されていて、
ある電圧になると充電をストップしているのではないか、とも考え、
今度は2本外し元々入っていた電池と同じ20本にしました。
それでも充電時間そのものが短くて、すぐに電池不足の点滅状態になります。
あと、考えられる事は1つ。jhoさんに「電池ボックスの接触部のロスで電力が使われている可能性はないのか?」
と聞いたところ「有る」との即答。やっぱりそうか。
ウーン、どうしよう。
(1)3000mA程度のタプ付きニッケル水素を買う
(2)バラして本来のエネループとして使う
(3)初志貫徹で電池ボックスでなくて電池同士を直付けする
(1)は、海外製の信頼性の面で各電池のパラツキが心配。
バラツキが出た時どれが不良品なのか調べる方法がわからないのと、
費用が結構かかる事。更に最近3000mAのニッケル水素充電池の在庫が無いみたいなので、今回は却下。
(2)もせっかくここまで頑張ったのに中断もくやしいので却下。
結局不安はあるもののやはり(3)です。やってみる価値はありそうですが、この"直付け"のみの変更で大丈夫だ、との確証はありませんでした。
直付けは、本来はリブをスポット溶接するのが最良なのですが、素人では出来ませんし、
さすがにその為だけにスポット溶接機を買う訳にもいきません。
そうすると行き着く所は"ハンダ付け"です。
インターネットで調べたところ「充電池のハンダ付けは電池を痛めるのでやらない方が良い」
とほとんどのところに書かれていますが、
「絶対にやったら駄目」とは書かれていません。
リチウム系の電池とは違ってそれ程の危険性もないみたいで、
短時間に出来るだけ熱をかけないやり方なら電池を壊す事もなさそう、
と読み取れる文章がところどころに有りました。
このあたりの書き込みを見て、当初頭の中にあった"エネループをハンダ付けして従来の中身と交換する"と
決断する事になりました。
又、エネループは他の充電池に比べても満充電時の電圧が少し高めのようですので20本のままにしました。
エネループは、20本買っても6,000円前後ですから例の海外製タブ付きニッケル水素電池の半額位です。
容量は2000mAで2/3ですが、
おそらくはバラつきの殆ど無い安定した性能でそのあたりは帳消しと無理にでも「考えます」。
しかも"地産地消"。発想としては言う事ないですよね。
更にインターネットで探すと、電池同士の結線は"吸い取り線"が良いとの書き込みを見つけ、早速買ってきました。
結果としては、この材料を使った事は大正解と言えそうです。
最初に電極を少しヤスリをかけペーストを付けて、ハンダを盛った上に"吸い取り線"を置いてコテで上から押すと、
ほぼ瞬時にハンダを吸い取りますので、そのまますぐに固定出来ました。非常に短い時間で済みました。
この場合の注意点はただ一つ"ショートに気をつける"だけです。
私は、ハンダ付けをしていない電極をビニールテープで覆って作業をしました。
バラした電池ケースには熱センサーみたいなのも入ってますので、発熱の面では心配でした。
充電後は結構熱くなります。最初はプチプチで周りを囲んでいたのですが、放熱が悪くなると思い
部分的にプチプチを挟んでおきました。
しかし後で確認するとプチプチが一部溶けていたので、
余っていた革を丸めて挟みました(上右写真)が、熱問題は少し心配が残ります。
そして、いよいよ出来上がり、充電したところ、今までよりも充電時間が長い、と言っても30分位でしょうか。
充電器の定格出力が「32V 2.1A」と書かれているので、せめて1時間位かかってほしいところ。
ただ、ある程度容量が残っていたので、次回走れなくなってからの時間を見てみます。
恐る恐る乗ったところ、スタートでも電池が切れる事はありませんでした。
大成功!! と言えるでしょう\(^o^)/
かどうかはまだこれからの走行してみないとわかりませんが、少なくとも以前とは全然違います。
以下は実走行の結果です・2011年
回
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距離
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備 考
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電圧
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1
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0.2km
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スタートでも電源が切れずバンザーイ
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*28V
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2
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7.8km
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2.5km走行時に電池表示が1つになるが最後まで走行出来た
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25.23V
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3
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3.2km
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取外し直後は24.26vだったが10時間後計測が右の数値
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24.99V
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4
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4.5km
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走行すぐに電池表示が点滅しだしたが4km走行出来た
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23.39V
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計
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15.7km
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大変良好な結果に驚き。多分新品の電池でも15km〜20km位だったと思うので、
軽くて安いエネループがこれだけ走る事が出来たら文句無し
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30分後
24.14V
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2011/5/24〜25の2日間 * 計っていないため推測
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充電前電圧=24.14V 電動不可直後の23.39Vから30分後の電圧
充電時間=55分 納得できる時間だが本体より充電器の方が熱くなった
充電完了直後電圧=29.29V
充電完了から1時間後の電圧=28.32V 2時間後=28.22V
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[2回目乗車]
回
|
距離
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備 考 電圧→
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28.22V
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1
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4.1km
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走行直後 25.64V 10時間後 26.03V 3日後電圧→
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25.99V
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2
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2.6km
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走行直後 25.05V 30分後 25.54V 2日後電圧→
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25.62V
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3
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2.8km
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1.4km間はライト点灯 取外し直後 24.40V 2日後電圧→
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25.25V
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4
|
2.6km
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走行すぐに警告灯点滅 取外し直後 24.18V 3日後電圧→
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24.84V
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5
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0.5km
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すぐにアウトになったが残り2kmは前照灯のみ点灯出来た
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24.20V
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計
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12.6km
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第一回目と比べると走り切るのに日数がかかったから少し短くなったのかもしれない
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2011/5/26〜6/5の11日間
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充電前電圧=24.20V (電動不可直後の23.23Vから10時間後の電圧)
充電時間=55分 前回と同じく本体はそんなに熱くはならない
充電完了直後電圧=28.91
V
充電完了から1時間後の電圧=28.38V 2時間後=28.28V
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[3回目乗車]
走った日付を加え 電圧の欄を2つに変更しました
月/日
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距離
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備 考
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走行直後
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安定電圧
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06/07
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2.6km
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走行直前27.89V (充電後35時間経過)
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25.87V
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26.30V
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06/09
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3.9km
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往路 1km走行後手元1灯になる
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25.34V
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(*25.77V)
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〃
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3.9km
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復路 (30分後)
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25.22V
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25.64V
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〃
|
2.8km
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復路で前照灯点灯
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24.70V
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25.08V
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06/19
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1.5km
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走行直前24.97V(前回から10日経過)
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23.42V
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23.98V
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計
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14.7km
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最後の走行は電源が切れた後も再度スイッチを断・入を繰り返し又多少走る、
という走行になったが、電池にとって過放電になったかもしれない
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2011/6/7〜6/19 * 30分後値
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・・・「記録」は出張の為一時中断・・・
充電前電圧=24.20V (電動不可直後の23.23Vから10時間後の電圧)
充電時間=55分 前回と同じく本体はそんなに熱くはならない
充電完了直後電圧=29.01
V
充電完了から1時間後の電圧=28.83V
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[4回目乗車]
月/日
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距離
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備 考
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走行直後
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安定電圧
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08/01
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2.6km
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走行直前25.98V (充電後40日間経過)
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25.51V
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25.87V
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08/19
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4.6km
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前照灯点灯で走行
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24.82V
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09/15
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0.5km
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走行直前24.38V (充電後37日間経過)
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23.18V
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計
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7.7km
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前回充電から3カ月弱という日数をかけると走行距離はこの位になるのだろう
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2011/8/1〜9/15(前回充電は6/19)
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[5回目乗車]
月/日
|
距離
|
備 考
|
走行直後
|
安定電圧
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09/29
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2.6km
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走行直前26.96V (充電後15日間経過)
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25.64V
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26.08V
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10/12
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4.6km
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走行直前25.87V 前照灯点灯で走行
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25.29V
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10/25
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2.0km
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走行直前25.21V
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24.22V
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計
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9.2km
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1カ月間での使用とはいえ使えなくなるのが少し早い気がする
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2011/9/29〜10/25(前回充電は9/15)
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[実走行後に思った事]
●手元警告灯が点滅しだしてからも案外と走行出来るのは、電池自体が新しいためか。
とは言っても買って2年は経っているが。
エネループが高い均一性があれば、1年後でも点滅後の走行も極端に短くはならないだろう。
いずれにしても継続して記録し続ける事である程度結果が出ると思う。
その後、乗る機会が減ってしまったのですが、最近乗ってみると非常に調子が悪く、
もう一度、電池を開けて、エネループの状態を調べてみようと思いますが、
物理的に半分位の大きさ/重さのエネループではこういう(電動自転車)
大きな負荷のかかる使用は無理があるのかもしれません。
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・
・
・
・
[更に1年後]
多分20本中の何本かが駄目になったので、まともに充電ができなくなったのだと得意の思い込みで
又も1年程度放置。もうあきらめてエネループの再利用でも考えようか、と開けてみました。
ところが電圧を計ったところ、すべて均一の1.32V前後である事がわかった時点で、
全品正常だとこれも思い込みで正反対の確信となりましたが、
それで走行してもやはり一気の電圧降下で走行不能。
そして、充電は又も5分程度で完了。ところが試しにもう一度プラグを差し直すと、
なんと今度は充電がすぐに切れずに継続しだしたのです。
約1時間かけて順調に充電直後ケースを開けてみると「熱い!!」。
手に持てない位の熱さです。ウーン・・そうか、すべての不具合は温度が関係していたのか???
冷える迄待って、更に10分程度充電して、電圧を計ると29V位まで上がり一番最初の数値に近くなりました。
その後の走行の結果が以下の通りです。
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[久々の電動乗車]
2013年
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距離
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備 考
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走行直後
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安定電圧
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04/13
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3.2km
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走行直前28.17V (1年ぶり電池使用)
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25.58V
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26.08V
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04/18
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4.6km
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前照灯を点灯しながら走行
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25.68V
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04/19
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2.4km
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途中でアウト
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25.31v
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04/20
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1.0km
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2km位を切れ切れでなんとか半分
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25.11V
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計
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11.2km
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以前と比べて電圧は高めに表示されるが走行距離は増えなかった。しかしそれでもりっぱなものだと思う
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2013/4/13〜4/20
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[続いて]
2013年
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距離
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備 考
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走行直後
|
安定電圧
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04/25
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6.3km
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走行直前28.22V
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15.21V
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15.85V
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|
km
|
|
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V
|
計
|
6.3km
|
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2013/4/25〜
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[一応・結論]
★★エネループは電動自転車に使えます★★
ただし容量が少ない為走行距離は、当然2/3程度。
又、充電器の出力が2.1A(32V)で、急速充電となりエネループが長期間これに耐えられるのかが不明です。
更に、液漏れや爆発の危険性もありますので、到底お勧めは出来ません。
が、知識の有る人ならば10時間以上かけて充電する専用充電器を自作すれば良いのではないでしょうか。
軽量化も含めて、エネループの安定した能力と1/4で済む経済性は大変優れていると再確認致しました。
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[余談]
テスターにより計測値はある程度は変わるだろう、というのは感じていました。
うちにも4個のテスターが有るのですが、
ある時点での電圧をそれぞれ計ってみた結果が以下の通りです。なおどれも高精度のテスターではありません。
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1.サンワ・針式(相当古い)=24.6V
2.フジフイルム・デジタル=23.89V(今回使用)
3.メーカー不明・デジタル(1)=23.6V
4.↑と同一・デジタル(2)=24.0V
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ウーン、しかしこんなに違って良いのでしょうか? 特に3.と4.は全く同じ物なんですが・・
この結果を見ると数値自体の意味がありませんね。
数値変化の比較には同一テスターが必須条件という事がわかります。
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私自身、電気の知識は持っていませんし、理論的な裏付けは全然ありません。
もし似たような物を作る場合は、御自身で納得出来る迄十分に勉強して覚悟の上でよろしくお願いします。
特に充電には注意してください。
監視の出来る場所で、最悪発火・爆発にも対応できるようにしてください、
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ご提案やお気づきの点等がありましたら是非お便りください。
佐々木
元々電池に強い三洋電機の"エネループ"は本当に凄い充電池だと思います。
せめてこの"エネループ"の名前だけは是非残して欲しいものです。
もし"エボルタ"になったら、などとは考えたくないですね。
又"デジカメ"という言葉を作り、多くのデジカメOEM製品を作り出した三洋電機が
ラグビートップリーグで最後の年に悲願の優勝が出来たのも劇的な感じがしました。
私の中で三洋電機の名前は忘れることはないでしょう。